エキナカ自販機で売り上げ約3倍! マーケティング機能搭載の次世代自販機

nikkei TRENDYnet 10月26日(火)11時21分配信
デジタルサイネージと独自のサーバーを中心にしたネットワークの融合

 8月10日、品川駅中央改札内コンコースと、3、4番線ホームに、デジタルサイネージを活用した次世代自動販売機が登場した。JR東日本ウォータービジネスオムロン、ピーディーシー、富士電機リテイルシステムズのほか、デザイナーの柴田文江氏の協力を得て開発した。

同社は2006年の創立以来、JR東日本エキナカでの売れ筋商品を中心としたブランドミックス機の展開、Suica対応機の徹底導入という2つの施策を“自動販売機(以下、自販機)イノベーション”として進めてきた。新たなステップとして、ユーザーと自販機とのコミュニケーションを目標に掲げ、最先端技術を駆使した機体の開発に踏み切った。

 次世代自販機の最大の特徴は、デジタルサイネージと、独自のサーバーを中心にしたネットワークの融合にある。サーバーと各機体はWiMAX網でつながっているため、搭載された大型タッチパネルディスプレーを活用し、タイムリーなコンテンツの提供が可能になった。これまで季節ごとに行っていたディスプレイ用モデルの交換は、今後、画像のデータを変更するだけで済む。ユーザー不在の際に商品の訴求を行う販促コンテンツでは、気温や時間帯などに応じて画像が適宜切り替わる。

自販機の前に立つと年代や性別も判定される!? 

 また、自販機上部に設置されたセンサーにより各ユーザーの年代や性別を判定し、属性ごとにおすすめ商品を提示する。「商品の提示をはじめ購入までの一連の画面変化は、ユーザーの楽しみを増す仕掛け」と同社企画部の伊藤佳克氏は話す。一方で、そういった属性情報を含むPOSデータはマーケティングデータとしてサーバーにストックされる。映像など個人情報は記録しない。

 機体デザインを担当したのは柴田氏だ。最先端技術が導入されているが、「先進性を強調しすぎず、遠くから見ても老若男女が自販機と認識でき、親近感を持つデザインを心掛けた」と説明する。シルバーと黒の色彩や、商品が表示されるディスプレーとSuicaのタッチパネル周辺の一体化で先進性を感じさせる半面、フォルムは従来機と同様のボックス型を基本にした。街中でのユーザーは男性が約90%なのに対しエキナカは女性が35%を占めるため、取り出し口は膝を曲げずに商品を出せる高さにするなど女性を意識したデザインも盛り込んだ。

 現在、品川駅に既設された自販機と比べ売り上げは約3倍。年内に東京近郊のJR東日本エキナカでの展開を始め、2年以内に約500台を設置する予定だ。

(文/介川亜紀 写真/Nacasa & Partners)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101026-00000004-trendy-ind
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