タリーズコーヒーが分煙に積極的な理由【前編】 分煙の実施はコーヒーショップの付加価値を生む

1997年、米国、シアトルから日本に上陸し、現在国内に約500店舗を構えるタリーズコーヒー。ほとんどの店舗が、壁で仕切ったエリア分煙を採用している。その狙いはどこにあるのか。タリーズコーヒージャパンの店舗開発責任者で、取締役副社長を務める町澤慎一氏に話を聞いた。

――タリーズコーヒーは、どのお店に行っても壁で仕切った立派な喫煙エリアが用意されているというイメージがあります
町澤:病院などに出店している一部の店舗を除き、基本的にどの店にも喫煙エリアを設けており、分煙には力を入れています。新規出店計画を立てる場合には必ず、喫煙エリアのスペースや設備費用について十分に検討を重ねています。店によっては、スペースの都合で立って吸うスタイルの4〜5人しか入れない喫煙専用ブースの場合もありますが、それでも極力設けるようにしています。喫煙エリア内の空気は専用の給排気設備で換気しており、喫煙エリアの空気が出入り口から外に漏れないように工夫しています。
――喫煙エリアを壁で仕切ったりするのにはコストも相応にかかると思いますが、なぜ、そのような分煙に力を入れているのでしょうか?
町澤:全席禁煙にすれば、一番お金はかかりませんが、それでは全てのお客様に満足していただけないと思うからです。喫煙者も非喫煙者も、どちらもお客様です。喫煙者が周りを気にせず心おきなく吸えるのも大事ですし、煙の苦手な非喫煙者が煙にさらされるのを防ぐのも大事です。お金をかける価値はあると思っています。

タリーズコーヒージャパン取締役副社長 町澤慎一氏
――分煙も含めたタバコ対策については、各コーヒーチェーンで対応が分かれています
町澤:タリーズに関していえば、創業当初、主に出店したのが港区のビジネス街だったことも関係しています。今でもビジネスマンは比較的、喫煙者が多いと思いますが、創業した約15年前はさらに多かった。彼らをターゲットにした店づくりをしたため、昔からのタリーズファンの方には「タバコの吸えるシアトル系コーヒーの店」と認識していただいております。さらにここ2〜3年は、女性のお客様も増えており、全体の半数近くにのぼります。タバコを吸わない女性客も増えていますが、エリア分煙を実施することで、どちらのお客様も大事にできています。
――お客様を大事にする姿勢が分煙につながっているのですね
町澤:お客様に満足してもらうためには、コーヒーの味はもちろんですが「おもてなしの心」が大事だという想いがあります。コーヒーは嗜好品ですから、商品そのものの良さに加えて、居心地のよい空間であるか、従業員は笑顔でサービスをしているかといった要素で、美味しさが変わってくるのです。味だけでは、自己満足になってしまいますから、今後はどう付加価値を出せるかが勝負になる。分煙は、付加価値を生み出すうえで、重要な要素になると考えています。
http://nr.nikkeibp.co.jp/bunen/interview/201305/


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