デルモンテの8-10月期は24%増益、通期の利益見通し上方修正

ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ米食品大手デルモンテ・フーズ(NYSE:DLM)が3日発表した8-10月期(2010年4月期の第2四半期、11月1日まで)決算は24%増益となった。製品値上げと経費節減を追い風に、1株利益は市場予想を大きく上回った。
 同社はこの日、通期の1株利益の見通しも上方修正。見通しレンジを93-97セントに引き上げた。9月の5-7月期(第1四半期)決算時に示した予想は88-92セントだった。一方、売上高の見通しは09年通期(36億3000万ドル)比で4-6%増に据え置いた。トムソン・ロイターがまとめた1株利益の直近のアナリスト予想平均は93セントとなっている。
 売上高は前年同期比6.4%増の9億5890万ドル。販売数量の増加が数字を押し上げた。
 部門別では、旗艦ブランド「デルモンテ」のほかトマト缶の「コンタディーナ」、ブイヨンの「カレッジイン」などを手掛ける消費者向け製品部門が好調だった。営業利益は前年同期比58.3%急増している。売上高が同9.1%増加したことにくわえて経費節減とより適切な製品構成が増益に寄与した。
 ペットフードの「キブルズ・ン・ビッツ」「ミャオミックス」などを展開するペット製品部門でも営業利益が85.6%急増した。値上げに成功して売り上げが同3.2%増加し、コスト低下も貢献した。リチャード・ウォルフォード会長兼最高経営責任者(CEO)は決算リリースで「8-10月期は販売数量の力強い伸び、価格設定の成功による売り上げ拡大、利益率の大幅改善を反映している」と述べた。その上で、これらは中核ブランドのマーケティングを強化し、価格設定と生産性への取り組みをを強化しつつコスト低下を図ってきた成長計画が結実したと強調した。
 同業の米HJハインツ(NYSE:HNZ)が先週発表した8-10月期決算は16%減益となったものの1株利益、売上高がともにアナリスト予想を上回り、新興市場での強さを示した。ただ「先進国の消費者は高い失業率に警戒感を解いておらず、依然として特売品を探している」と指摘していた。
 デルモンテ株の3日終値は前日比0.33ドル(3.01%)高の11.29ドル。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djDEX1547.html
【経費削減、コスト削減、コストダウン、コストカットに関するニュース・情報】