夏セール 前倒し加速…百貨店・スーパー、客囲い込みに懸命 収益減ジレンマも

関西の商業施設で、7月開始が通例だった「夏物セール」を6月に前倒しする動きが広がっている。消費不振を受けて、早めに顧客を取り込むのが狙いだが、定価販売の期間が短くなり収益が落ち込むというジレンマもある。
(船木七月)

 近鉄百貨店阿倍野本店(大阪市阿倍野区)は18日から、百貨店がメーカーから商品を買い取って販売する「自主編集売り場」などで、昨年は7月1日スタートだったセールを順次始めた。「出遅れれば、お客を他社に奪われる」(秘書広報部)ためで、紳士服と婦人服の売上高は昨年の同じ時期と比べて1割程度多いという。

 中堅スーパーのイズミヤは「天候不順で夏物衣料の販売が落ち込んでおり、在庫が膨らむ危険性が高い」などの理由で前倒しした。23日からセールを行っている大丸梅田店大阪市北区)は、増床工事で婦人靴売り場の面積が約5割減少しているが、売上高は3割減にとどめている。

 ただ、売り手側には「7月の大型セールを控えた6月は定価販売でしっかり利益を確保したい」(大手百貨店)との思惑もある。大阪・難波の大型商業施設「なんばパークス」と、隣接する高島屋大阪店は、昨年は6月下旬だったセール開始を7月1日に戻した。今後、各店の試行錯誤が続きそうだ。
(2010年6月29日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco/news/20100629-OYO8T00294.htm?from=ichioshi

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