低所得者層事業 経産省が推進組織

7月26日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
 世界人口の7割を占める低所得者層を対象としたビジネスを促進するために、経済産業省が官民一体の推進組織を今夏にも立ち上げることが25日、分かった。政府はアジア市場の取り込みを成長戦略の一つに挙げている。貧困撲滅に貢献すると同時に世界的に注目が高まっている“巨大市場”に眠るビジネスチャンスを開拓するのが狙いだ。

 市場規模は日本の実質国内総生産(GDP)に匹敵する5兆ドル(約445兆円)と試算され、ヤマハ発動機住友化学などの参入も相次いでいる。

 新設するのは「BOPビジネス推進プラットフォーム(仮称)」で、進出を希望する企業の情報提供や相談窓口などの機能を担う。民間企業やJETRO(日本貿易振興機構)、シンクタンクなどの参加を見込んでいる。

 BOPは、低所得者層が所得別の人口構成でピラミッドの底辺のように広がっていることを指す、ベース・オブ・ピラミッドの略。年間所得3000ドル(約26万1000円)以下の低所得者層は、世界人口の7割に当たる約40億人とされる。

 BOPビジネスは、こうした低所得者層に水や電気などのインフラや生活必需品を、低価格で提供し、生活向上につなげ、将来的な顧客の囲い込みにつなげる。

 不況などに左右されず、企業の社会貢献活動よりも継続性があると期待されている。

 貧困を脱して所得が増えれば、市場はさらに拡大し、企業側のメリットも大きい。

 経産省は、低所得者層40億人のうち30億人がインドやバングラデシュなどアジアに集中していることから、「民間の経済協力にもなる」と意気込む。

 ただ、BOPビジネスは現在は欧米勢が先行している。洗剤などを少量の小袋にして1〜4円で販売する米ユニリーバをはじめ、蘭・英ロイヤル・ダッチ・シェル、米マイクロソフト、などが市場を押さえており、日本も官民連携で巻き返しを図りたい考えだ。(滝川麻衣子)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100725-00000001-fsi-bus_all
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