学習塾の夏期講習が活況 子ども手当恩恵、囲い込み躍起

7月27日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
 学習塾が夏休み期間中に実施する夏期講習が活況を呈している。各社では、講習への申込数が足元で前年に比べ軒並み1割以上増えている。夏休み突入後の駆け込み需要を合わせると、講習への参加者はさらに拡大することが見込まれる。政府が6月に支給を開始した子ども手当が後押しした格好で、生徒争奪戦が過熱している。

 全国で学研教室を運営する学研エデュケーショナルでは、夏休み期間中に9回の授業を行う「夏の特別教室」への申し込みが前年度比1割増と好調に推移しており、「駆け込み需要を考えれば、2割近くまで増える可能性もある」(学研教室事業部)と意気込む。同社では、6月の教室への入会者が前年同月比倍増の約6000人と急増した。7月の入会も堅調で、「子ども手当の影響が少なくない」とみている。

 個別指導の明光義塾を運営する明光ネットワークジャパンでも、夏期講習の問い合わせが「7月に入って急速に増え出した」(広報担当)。8日間の体験学習コース「ダブル4days」を、子ども手当でおつりが来る1万2600円の料金設定で提供したところ、多くの申し込みがあるという。「栄光ゼミナール」を運営する栄光の講習への問い合わせも、6月末時点で1割増で推移するなど、各社とも軒並み需要が増えている。

 塾関係者は「新学習指導要領で、小学生は来年度から学習量が増える。これを心配する親御さんの気持ちを、ちょうどいいタイミングで子ども手当が後押しした」と分析する。夏期講習は秋以降の通常クラスへの通塾を促す絶好の機会だけに、各社とも“子ども手当効果”を最大限に生かそうと、塾生の囲い込みに躍起だ。

 ただ、菅直人首相が「ねじれ国会」で厳しい政権運営に直面する中、子ども手当制度の先行きを懸念する声も出ている。手当の満額支給どころか、「支給自体が続くかも不透明で、秋以降の入塾につなげられるかは未知数だ」(大手塾関係者)との冷めた見方もある。

 少子化の進行や、大学の「全入時代」の到来など、教育ビジネスを取り巻く環境は厳しい。これに対応し、大手予備校による学習塾の買収や、予備校と通信教育を行う企業との事業提携など、各社は生き残りに必死で、せめて子ども手当の追い風が吹く間に、一人でも多く塾生獲得を狙いたいというのが業界の本音だ。(那須慎一)
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