化粧品各社、中国人客囲い込み作戦拡大中

2010.8.10 19:08

 日本政府が中国人に対する個人観光ビザの発給要件を緩和したことを受け、化粧品各社が観光客の獲得に力を入れている。ポーラやノエビアが中国人向けの観光案内誌に広告を掲載するほか、コーセーが中国語の説明書を配布するなど売り場対応を強化している。

 ポーラは、東京を中心に無料配布されている観光案内誌「東京導遊図」に、9月から化粧品販売店「ポーラザビューティ銀座店」の広告を掲載する。同店では中国未発売の最高級化粧品「B.A(ビー・エー)」の紹介パンフレットを配り日本でしか買えない点を訴え、中国語を話せる販売担当者を置くことも検討している。

 ノエビアは、中国の上海万博会場や旅行会社で無料配布されている観光案内誌「珍遊日本」に今秋から広告を掲載する。国内主要店舗に加え、上海で運営する3店舗も取り上げ、観光客の誘導だけでなく現地での認知度向上も狙う。

 コーセーは総合スーパーなどで販売する高級ブランド「インフィニティ」について、商品の使用法などを記した中国語の説明書を7月から販売カウンターに置き始めた。来年3月に中国でも売り出すため、事前に浸透させる狙いがある。

 このほか資生堂全日本空輸が7〜9月に開催する上海−東京のツアーで、銀座の資生堂本社を訪れメーク法などを学ぶオプションを一部提供している。

 日本の中国人向け個人観光ビザは、7月1日に発給対象が年収25万元(約316万円)以上から年収6万元(約76万円)以上に緩和された。観光庁は、平成21年に101万人だった訪日中国人数を今年は180万人に増やす計画だ。

 日本の化粧品は土産物として人気が高く、数万円分をまとめ買いする例もみられる。各社は急拡大する中国市場への依存を深めているが、国内でも中国頼みの傾向が強まりそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100810/biz1008101908020-n1.htm
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