丸井「関西戦略は完成」 京都出店発表、ネット通販で囲い込み

2010.8.11 08:32
 閉店する百貨店「四条河原町阪急」の後継テナントとして、京都への初出店を正式発表した丸井グループ。首都圏で強いブランド力を持つ同社は近年、政令指定都市を中心に出店を強化する方針を掲げる。その狙いは店舗を核に、自社のクレジットカード事業やインターネットを使った通信販売などへの顧客の囲い込みを図ることだ。(内田博文)

 丸井グループの小売り事業を担う丸井(東京)の川下雄司社長は10日、京都市内で会見し、「京都出店はこれまでの集大成」と説明。会見後も記者団に対し「関西圏での出店は京都でひとまず完成となる」と述べ、今後は未進出の九州など他の政令指定都市への出店を進める考えを示した。

 丸井グループは平成15年に神戸・三宮、18年に大阪・難波に開業。一昨年のリーマン・ショックによる消費低迷で両店とも売上高は前年割れが続いたが、21年度下期に行った売り場改装で22年4〜6月期は両店とも前年同期比5〜7%程度の伸びとなった。

 また、昨年4月から店舗でのカード即時発行を開始したこともあり、476万人のグループカード会員のうち、関西圏のカード顧客が5%前後を占めるまでに伸びているという。

 丸井グループの22年3月期連結売上高は、小売り事業が前期比7・7%減の3434億円と不振だったが、クレジットカード事業は3.0%増の512億円と好調。「小売りを中心に、カード事業と関連サービスの三位一体の戦略」(川下氏)を進めており、ネット通販で買った商品を店舗で試着したりできるなど相乗効果のあるサービス展開を進めている。

 京都総合経済研究所の森秀人常務は「歴史的にもイノベーションを繰り返し成長した企業で、テーマ性が強く話題性のある店作りになるだろう」と京都での新店を予測する。

 京阪神の商業中心地に拠点が完成することで、丸井グループの顧客の囲い込みに向けた布石は整う。関西の流通業界は、来春には大阪・梅田を中心に百貨店の増床・新設も本格化し、競合は一段と加速しそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100811/biz1008110833001-n1.htm

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