資生堂 規模追求でコスト効率 成長アジアと日本 共通商品 囲い込みを目指す

7月30日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
 資生堂は29日、日本とアジアで共通の低価格商品を展開すると発表した。同社が開発段階から日本とアジア市場を想定した低価格商品を販売するのは初めて。低価格志向が高まる国内では、手薄となっている低価格帯を強化するとともに、成長著しいアジア向けでは増加する中間所得者層を手ごろな価格で取り込むのが狙いだ。

 日本とアジアを一体的に展開することで規模を生かしてコスト効率を高め、高い競争力を生かして早期に収益の柱に育てたい考えだ。

 新たに投入するのは、スキンケアブランド「専科」。第1弾は化粧水で、9月中旬に日本で発売し、今年中に台湾、来年からは順次、アジア各国に広げていく。ドラッグストアや量販店などで販売し、日本での価格は980円前後(詰め替え用は798円前後)を想定している。

 新商品は、クリームのような高い保湿力がありながらべたつかず、手軽なケアで弾力のある肌に導くのが特長。同社では、「スケールメリットを追求することでコスト効率を高め、低価格ながら高機能を実現した」としている。

 スキンケア化粧品の国内市場は低価格志向が高まっている。同社によると、2009年度の2000円以上の中高価格帯の市場規模は、06年度比2.2%減と縮小傾向なのに対し、1000円以下の低価格帯では3.3%増と拡大している。

 資生堂はこれまで中高価格帯の商品が主力だったため、新商品の投入で低価格帯のてこ入れを図る。

 一方、中国をはじめとするアジアでは、経済発展に伴い中間所得者層が急増。これまで展開していたアジア専用ブランドや日本でも発売しているブランドに加え、今回の値ごろ感のある商品で顧客の囲い込みを狙う。

 同社は「国内では1000円以下の商品で強いラインがない。また、今後アジアの中間所得者層は大幅に拡大する」と新ブランド投入の理由を説明。今後も積極的に新ブランドの充実を図っていく考えで、日本とアジアの化粧品市場の垣根は取り払われていく様相を呈してきた。(中村智隆)
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