大手ハウス、CO2ゼロ競う ソーラー・蓄電装置で売電もアピール

フジサンケイ ビジネスアイ 9月21日(火)8時15分配信
 大手ハウスメーカーの間で、計算上の二酸化炭素(CO2)排出量ゼロを実現したエコ住宅の開発競争が過熱している。大和ハウス工業が、太陽光発電の搭載や環境技術を使って、7月に「CO2ゼロ住宅」を売り出したのに続き、年内にはミサワホームも追随する。来年度には住友林業パナホームも相次ぎ投入する計画だ。

 生活時のCO2排出ゼロという環境性能に加え、太陽光発電で生み出した電気の売電で光熱費を減らせる経済性メリットをアピールし、拡販につなげるのが狙いだ。

 CO2ゼロ住宅は、太陽光発電だけではなく、発電も給湯もできる燃料電池、電気をためる蓄電池機能によってCO2排出量を大幅に減らした住宅。

 大手メーカーでは大和ハウスが7月に売り出した「ジーヴォ・ユウ」が先駆け。最大9.6キロワットの太陽光発電を搭載できるうえ、住宅の気密性を高め冷暖房の使用を抑えられる外張り断熱機能付きの外壁、高効率給湯器を標準装備した。4人住まいの場合、CO2の排出量はゼロ以下になるという。

 価格は3.3平方メートル当たり55万6000円で、通常物件より4万円割高になるが、電力会社への売電による光熱費の削減分を含めるとトータルで黒字になるという。今年度に2400棟の販売を目指す。

 ミサワホームは、大規模太陽光発電、給湯器、蓄電池の組み合わせでCO2排出をゼロ以下にできるため、建設時に発生するCO2排出量も「数十年で吸収できる」(同社)と胸を張る。価格は数百万円割高となるが、売電分で、初期投資の負担は数年で回収できるという。

 11年度内にCO2ゼロ住宅の販売を計画するのがパナホーム住友林業だ。パナホームは今年7月、滋賀県の工場内に太陽光発電燃料電池、蓄熱材を採用した実験住宅を完成させた。住友林業も、茨城県の研究所で同様の設備を取り付けた実験住宅でデータ蓄積を進めている。

 CO2ゼロ住宅開発に各社が力を入れるのは産業部門などに比べ進まない家庭部門のCO2削減を進めようと政府が20年にCO2ゼロ住宅の標準化を目指していることも背景にある。

 こうした動きを先取りすることで、環境意識の高い消費者を囲い込みたい考え。環境対応企業とのイメージアップにもつながるだけに、CO2ゼロ住宅の開発競争は中堅メーカーにまで広がりそうだ。(今井裕治)
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