9月売上高は大幅増も…コンビニ、高級化でたばこ&猛暑反動減対策

フジサンケイ ビジネスアイ 10月21日(木)8時16分配信
 日本フランチャイズチェーン協会が20日発表した主要コンビニエンスストア10社の9月の売上高(速報)は、既存店ベースで前年同月期12.9%増の6958億円だった。たばこ増税前の駆け込み需要が牽引(けんいん)した。伸び率は、たばこ自動販売機の成人識別カード「タスポ」導入時に記録した2008年7月の14.7%増に次ぐ過去2番目。

 既存店の売上高がプラスになったのは3カ月連続。たばこ需要に加え、9月上旬は気温が35度を超す厳しい残暑の影響で、清涼飲料やアイスクリームなどの夏物商材が好調だった。

 10月以降、たばこの一般的な銘柄の多くが1箱(20本入り)100円以上の値上げとなり、9月には各コンビニとも事前のまとめ買いをアピール。セブン−イレブン・ジャパンでは「たばこだけで1.6倍の売り上げになった」という。

 既存店の客数は前年同期比2.1%増の11億2222万人だった。これに対して平均客単価は10.6%の620円と、客数の伸びを大幅に上回った。客単価は08年11月以来22カ月ぶりのプラスとなった。

 ただ、コンビニ各社にとって悩ましいのがたばこ増税後の集客策だ。「足元では5%程度客数が落ちている」というコンビニもあり、各社とも高級感のあるプレミアム商品を提案し、来店客と売り上げの確保に取り組んでいる。

 セブン−イレブンはプライベートブランド(PB、自主企画)で高価格の「セブンプレミアムゴールド」を販売。カレーやビーフシチューなど通常商品に対し商品の質も価格も高めに設定した。一方、ローソンも弁当とスイーツで高級感を提案した商品を強化している。いずれも固定客の囲い込みと新規顧客の開拓につなげているという。

 猛暑効果とたばこの駆け込み需要の大きな追い風を失い、市場環境の厳しさが増す中、いかに顧客ニーズをつかんだアイデアを提案できるかが各社の下期業績を占う鍵となりそうだ。(石垣良幸)
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