松坂屋など売り場改革加速 脱百貨店流で秋冬衣料商戦

フジサンケイ ビジネスアイ 10月20日(水)8時16分配信
 長期低迷が続く百貨店各社で、秋冬商戦の本格化にあわせ、衣料品の売り場改革が加速している。大丸松坂屋百貨店は22日、銀座店で若い女性をターゲットにした新業態がスタート。新宿高島屋は今月2日に専門店から“奪取”した人気店を開業した。一方、西武渋谷店は低価格商品の売り込みを富裕層に広げる。百貨店の手法を転換した新しい試みで、長引く不振を打開しようと必死だ。

 松坂屋銀座店は22日、カジュアル衣料品売り場「うふふガールズ●」を開業する。人気ブランド「セシルマクビー」など計11店が出店。開業後の来店客は前年同期比で20%増を見込む。

 「うふふ〜」の導入は大阪心斎橋北館、京都店に続く3店目だが、銀座店では初めて、テナント側が一定額の家賃を百貨店に支払う賃貸契約方式を採用した。テナントの売り上げ増と収益が連動する百貨店に有利な消化仕入れ方式を断念し、人気ブランドの集積を最優先した。MD戦略推進室の津田ちえこマネジャーは「百貨店の再生には若い女性の支持が不可欠」と話す。

 新宿高島屋で今月2日に開業した人気ブランド「ダブルスタンダードクロージング」は、通常の4店舗分の売り場面積で展開する。店舗は婦人服フロアにあるが、男性服も販売するなど、初めての取り組みだ。

 「ダブル〜」は8月末まで“ライバル”の新宿ルミネに出店していたのを奪取した。新宿高島屋仕入れや売り場の運営を社員が行う「自主編集」を増やし、差別化を目指してきたが、売り上げは低迷。4月にショッピングセンター内に導入したユニクロに続き、主力の婦人服に専門店の導入を広げ、巻き返しを狙う。荒岡真人部長は「今の百貨店の手法では固定客を呼び込めない」と話す。

 一方、西武渋谷店は先月、ベテランの衣料品買い付け担当者を衣料品全体の責任者に配置換えした。総売上高の半分強を占める高級ブランドの顧客を対象に、低価格のプライベートブランド(PB)の衣料品を売り込むためだ。服の素材や製法、ブランドの歴史に精通した社員が、比較的安価なPBの販促を直に行うことで富裕層に品質の良さをアピールし、衣料品の売り上げアップを狙う。

 松屋銀座は、隣接する三越銀座店など他の百貨店が扱わない高級ブランドのかばんや財布をワンフロアに集積した。9〜10月の20〜30代女性の来店者数は前年同期比3割増で好調だという。今後も販売数量が少ない雑貨の点数を増やし、顧客の囲い込みを加速させたい考えだ。

●=ハート
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