羽田、際立つ利便性 日航、ハブ化の追い風期待

フジサンケイ ビジネスアイ 10月22日(金)8時16分配信
 会社更生手続き中の日本航空は21日、羽田空港新国際線旅客ターミナルから、出発初便となる韓国・金浦便を運航した。都心から近く、国内線との乗り継ぎも便利な羽田は、利便性の高さで際立っており、利用客の大幅増が見込まれる。日航は早期の財務体質強化と再上場を目指しており、「離陸」への大きなカギを握るのが、羽田と成田の24時間国際拠点(ハブ)化だ。

 「(予約が)満席でほっとしている」−。乗客の見送りのため、まだ夜が明けないうちに羽田に姿を現した大西賢社長は、胸をなで下ろした。金浦便はこの日午前、新ターミナルから出発する1号機として、乗客297人を乗せて飛び立った。

 日航は今月末、羽田−サンフランシスコなど、国際線6路線を新たに開設する。羽田を核とする国際線網は来年1月、共同運航(コードシェア)便を含め11路線、1日22便に拡大する。 日航の海外路線は不採算路線からの撤退が奏功し、搭乗率は70%以上と好調を持続している。都心から近く国内線との接続に優れた羽田をビジネス、成田をレジャー需要の拠点として、使い分ける方針を掲げており、羽田のハブ化によってさらなる囲い込みを図っていく。

 稲盛和夫会長は同日、初便の搭乗客を前に「今後は高品質のサービスを提供することで、さらにお選びいただけるような素晴らしい航空会社とならなければならない」と自身に言い聞かせた。これは、客単価の向上を重視する戦略を意味する。企業の海外出張が増えれば、利益率が高いビジネスクラスの需要が高まることになる。

 一方、リストラでは多くの課題が残る。グループ全体で1万6000人の人員削減目標に向け、日航は現在、主力運航子会社だけで1500人の希望退職を募っている。主力取引銀行から3200億円規模の確実な融資を取り付けるために必要なリストラ策だが、22日の応募期限を目前に、達成のめどは立っていない。羽田はハブ空港に向けて第一歩を踏み出したものの、再建に向けての視界は、決して良好ではない。(米沢文)
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