新博多駅ビル 売上高目標 「年700億円、上積みも」

2010年11月18日 00:34
来春開業する新博多駅ビル「JR博多シティ」は、売上高「年700億円弱」の目標を掲げた。カード戦略やアジア客取り込みを図り、福岡市の商業施設では、百貨店2位の博多大丸(約630億円)を超える水準を目指す。JR九州の唐池恒二社長は17日の会見で「700億円を超えるよう、さらに上積みの努力をしたい」と力を込めた。

 売上高目標は核テナントの博多阪急が370億円、専門店街「アミュプラザ」(東急ハンズなど含む)が300億円、地下の食堂街「博多1番街」20億−30億円と弾く。

 博多阪急アミュプラザはともに主要客層を30歳前後の女性に想定。競合の懸念もあるが、唐池社長は「客層が重なる中で競争、協調していく」と意に介さない。男性客には、九州初上陸の雑貨大手、東急ハンズでアピールする戦略だ。

 JR九州のクレジットカード会員には、アミュでも阪急でも買い物ポイントを付け、駅ビル全体での囲い込みを図る。

 クルーズ船で福岡への来訪が増えている中国人客も重視する。銀聯カードの導入や通訳を配置。近くに大型バスの駐車場も確保する予定だ。

 最大の強みは、1日に35万人が利用する九州最大の「集客装置」である博多駅。テナントにとって「全国最後の好立地」ともいわれ、新駅ビルでは、人気ブランドの誘致に成功した。鉄道事業が先細る中、新駅ビルで賃料収入40億円の増収を見込む。

 他都市でも駅ビルは吸引力を持ち、1997年開業のJR京都駅ビル(延べ床面積23万8千平方メートル)の昨年度の売上高は1094億円。

 ただ、開業と同時に、九州一の商業集積を誇る福岡市・天神との競争も始まる。博多駅周辺の商業集積や天神との回遊性向上が欠かせない。唐池社長は「新駅ビルがオープンすれば、にぎわいを求め店が集まってくる」と自信を見せた。

=2010/11/18付 西日本新聞朝刊=

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