住所不要、メールで贈れるギフト 菓子・飲料など気軽に

2011/7/28 11:00
 ちょっとしたお礼の気持ちを、1杯のコーヒーなどにして贈れるネットサービスが静かな人気を集めている。携帯電話などで商品を選び、メールやツイッターでギフトカードとして送信するだけ。値段が手ごろな上、相手の住所も不要。仕事にプライベートに利用できる場面は多そうだ。


ネットで届いた「ギフト」で飲み物を注文(東京都渋谷区のCAFE PARK)

 「今度お酒でもどうですか」。千葉県の主婦、朝岡由紀子さん(50)は先日、昨年まで勤めていた会社の同僚にツイッターでメッセージを送った。言葉だけではそっけないので、おまけもつけた。カフェで使えるコーヒーやビールのギフトカードだ。

■店の人に見せて

 メールやツイッターを通じた交流は今や日常。多くの人が思いを文字で送り合う。でも、文字だけでなく贈り物を添えて気持ちを伝えたいこともある。そんなニーズに応えるサービスが広がってきた。

 朝岡さんが利用したのはギフティ(giftee)。メールやツイッターを通じ、飲食店などの飲み物やスイーツのギフトカードを贈れるサービスだ。現在はカフェやレストラン、無印良品など首都圏の40以上の店舗で利用可能。年内には関西など全国主要都市に展開する予定という。

 使い方はギフティのサイトで、まず贈る相手のメールアドレスやツイッターのアカウントを指定。あとは商品を選びクレジットカードで支払うだけ。メッセージをもらった人は携帯電話などで、店の人にギフトカードを見せれば利用できる。

 東京の会社員、石倉大士さん(28)は誕生日を祝ってくれた人へのお礼に使った。「贈ったコーヒーの感想が来た。ありがとうと伝えるよりおもしろい」

コンビニエンスストアの商品などを選べるサービスもある。例えばソフトバンクギフトの「ポチッとギフト」は携帯電話などでセブンイレブンやHMVなどのギフトカードを贈れる。

 こちらもサイトで商品を選び、相手にメールを送るだけ。贈られた人はメールのリンクをクリックすると現れるバーコードを、店で見せれば受け取れる。ポッキーチョコレート(150円)やキットカット(100円)、音楽ソフトなど手ごろな商品が多く、ちょっとした感謝を伝えたい時に便利だ。

 中にはギフトを無料で贈れるケースも。ネットイヤーグループのスマイリッシュ(smylish)は企業が提供した無料ギフトをツイッターで贈るサービス。今夏は伊豆堂ケ島の自然植物園「らんの里堂ケ島」の入場券を用意している。

■仲介サービスも

 もっとも、ネット上の知人は互いの顔はもちろん住所などを知らないこともある。それでも贈り物を届けたい時に便利なのはギフトナウのサービス。受取人のメールアドレスやミクシィなどのアカウントを指定するだけで、贈り物を届けられる。ギフトナウが仲立ちし、品物を相手の指定する場所に届ける。贈る人も贈られる人も住所を伝え合う必要はない。

 利用料は送料込みで1000円。大手の買い物サイトと連携しており、選べる商品も幅広い。

 メールdeギフトも同様のサービス。送料込みで200円のお茶のパッケージや、840円のアイスクリームのギフト券などが人気という。

 もちろん、顔も知らない相手の場合は自分の個人情報の流出などに注意をする必要がある。だが、とかく温かみにかけるといわれるメールなどで心のぬくもりを伝えられるサービス。試してみてはいかがだろう。(経済金融部 松尾洋平)

http://www.nikkei.com/life/living/article/g=96958A9C889DE1E0EAE4E2E3E4E2E0E7E2E5E0E2E3E3979EE382E2E2;dg=1;df=2;p=9694E3E6E2E4E0E2E3E2E4EAE1EA