出張も旅行も“安くて贅沢”が常識!? 「超豪華高速バス」の正体を探る!

nikkei TRENDYnet 9月5日(月)11時4分配信

地方の高速バスが元気だ。価格競争から一転、中・長距離路線では、長時間の乗車に耐えられるよう、各社が2列シートや3列シートを導入し、居住性の高さを売り物に業績を伸ばしている。鉄道や飛行機に対抗する東北や北陸、四国の高速バス激戦地事情を追った。

 通路の両側には木質のパーティションで仕切られたシートがたった12席。まるでホテルのような「個室」をしつらえた超豪華バスが登場した。海部観光(徳島県美波町)が、今年4月から東京―徳島間で運行を始めた「MY Flora」だ。座席は飛行機のビジネスクラス並みで、幅は80cm。しかも155度までリクライニングでき、身長180cm台の男性でも余裕で足を伸ばせる。

 「採算を考えれば18席が限度。だが、本当に乗客が満足できるものを、という理想を追求していったら、12席になってしまった」。海部観光の打山昇会長は、そう言って笑う。

 同社が東京行きの高速バス事業に乗り出したのは07年。顧客重視の姿勢が評価され、乗客数は順調に推移した。現在は1日3編成の東京便を走らせ、平均乗車率は85%以上と高い。

 その理由は、MY Floraの投入によって3段階のグレード編成になり、ビジネスパーソンや中高年などの取り込みに成功し、対象顧客が幅広くなったからだ。今年4月と5月の東京便全体の乗客数は、それぞれ前年比20%、15%の2桁増に。ネットのアクセス数も5倍になった。単体での採算がマイナスでも、MY Floraが同社の収益向上に大きく貢献した格好だ。

 地方発の“元気”な高速バス路線は、これだけではない。特別仕様の新車両を導入したり、路線数を増やしたりする動きが、他にも顕著だ。一方で、大都市部を拠点とする大手バス会社は高速バス事業から手を引き始めており、いささか活気がない。

わずか12席の豪華個室バスが登場徳島←→東京(徳島・海部観光) 今年4月に運行を開始した「MY Flora」は、業界最高水準の居住性という2列・全12席のゆったりシート。10月に2台目が投入され、毎日運行になる。片道1万2000円で、所要時間は約10時間。コスト高騰で大手は撤退

 理由の一つがコストの高騰だ。もともと高速バス事業は、発着地双方の路線バス会社同士による共同運行が一般的だった。ところが、ここ数年で高速バスのコストの多くを占める燃料費が高騰し、人件費の負担も増加。おまけに東京や大阪の大手路線バス会社では、地方便に乗ると運転手は3日間の拘束となるため、労働組合の反対も根強い。こうして都市近郊の効率の良い路線にシフトし、高速バス事業から撤退・縮小する動きが目立っている。

 高速バス事業のコストに占める人件費の比率は、大手では7割といわれるが、地方のバス会社ではせいぜい5割前後。それだけ採算ラインが低いこともあり、大手が退いて抜けた路線を単独運行するメリットは大きい。しかも、設備投資や新規運行といった決定も素早くできることが、地方のバス会社の動きを加速させた。

 25年前から京浜急行バスとの共同運行で、東京・横浜―弘前に「ノクターン号」を走らせている弘南バス(青森県弘前市)は、高速バスのパイオニア的存在だ。同社は東京―青森間についても京急と共同運行してきたが、こちらは京急の撤退によって昨年3月に単独運行に切り替わった。これを機に便名を「津軽号」に改名し、今年4月に独立3列シートの新車両に入れ替えた。座席幅75cmというゆったりサイズの「あずましーと」(6席)を導入するなど、バス利用の少ない中高年者が快適に過ごせる工夫を凝らした。

 「チケット販売や施設の利用などの点で共同運行のメリットは大きいが、単独運行になって車両変更や新サービスに取り組みやすくなった」と、同社高速バス部の菊池武史課長は説明する。

中高年が安らぐ“和モダン”シート青森←→東京(青森・弘南バス) 今年4月、新車両を導入し3列シートに。通常タイプの18席は座席幅50cmで片道7500円、「あずましーと」は6席限定で座席幅は75cm、片道8500円。所要時間は約9時間半。 地方発の高速バスが活発になった理由はもう一つある。ここ数年で利用者が急増しているツアーバスだ。路線や運賃が認可制の路線バスに対し、旅行商品であるツアーバスは、路線の新規開設や運賃設定は自由。そのため、東京―大阪などの主要幹線でツアーバスが乱立し、価格競争が激化した。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110905-00000005-trendy-ind

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