学習塾、学童保育に参入相次ぐ 将来の生徒囲い込み

2011/9/3 6:10

学習塾各社が保育サービスに参入している。保育といっても、共働き家庭の小学生らを放課後に預かる「学童保育」だ。単に預かって遊ばせるだけでなく、勉強や英会話を教える。少子化で競争が激しくなるなか、将来の生徒を囲い込もうという戦略がある。勉強一辺倒ではないため、「小さい頃から塾に入れるのはどうか」といった保護者の思いとも合致し、注目を集めている。

 午後4時前の港北ニュータウン横浜市)。送迎のマイクロバスから続々と小学生が降りる。グループで遊び、工作、本の読み聞かせなどのプログラムに参加し、午後7ごろ自宅に帰る。

 普通の学童保育と変わらない光景だが、異なるのは先生との会話だ。「バード(鳥)」「スパイダー(クモ)」――。外国人の先生だけでなく、日本人の保育士も常に英語で子供に接する。

 個人指導塾「スクールIE」の拓人(東京・中央)が運営する「Kids Duo(キッズデュオ)」だ。「英語で預かる学童保育」を標榜。現在、東京都内と神奈川県内の9カ所で展開する。

 サピックス代ゼミグループの進学塾、SAPIXが杉並区内にオープンした「ピグマキッズ」は勉強を教える学童保育の先駆け的存在とされる。といっても塾のように講師が講義するわけではない。目指すは「自宅で母親と過ごす雰囲気」。子供たちはそれぞれ宿題をしたり、決められた教材を自習したりする。指導員がこれを見守り、助言する。勉強の時間は45分で、その間に15分の遊びの時間を設けている。

 料金は決して安くはない。都内では公立の学童保育はおおむね月5000円前後。小学校低学年の塾の平均的な月謝は1万〜2万円といわれる。対して「Kids Duo」は1回5〜6時間、週2回で月3万円程度。「ピグマキッズ」は1回4時間で週2〜3日通う場合、月3万5000〜4万5000円かかる。

 それでも人気を集める背景には、働く母親の微妙な思いがある。7歳の子供を持つ杉並区の女性(35)は「仕事をしているので子供の勉強をみる時間もない。しかし、まだ塾に通わせるのはどうかと思う。ほかの子に後れを取らないように最低限のことだけみてほしい」と打ち明ける。

 一方、学習塾各社には少子化が進むなか、子供を年齢が低い段階から囲い込もうという狙いがある。SAPIXはピグマに通った生徒は小学生向け学習塾の入室金(3万1500円)、代々木ゼミナールの入会金(同)を免除する。

 大手以外でも参入の動きは広がる。さいたま市のフューチャーシーズも学習塾機能を持つ学童保育「キッザス」を運営。子供の到着やその日あった出来事を親の携帯メールに送信するサービスもしている。

 内容も多彩になってきた。学習塾の栄光や通信教育の増進会出版社静岡県長泉町)などが共同で来春、東京・恵比寿に開く学童保育では、勉強を教えるほか、ピアノ、書道といった習い事教室も併設する。3年間に首都圏の10カ所に開設する予定だ。

 塾を展開する杉浦環境プロジェクト(東京・港)も柏市内で学童保育と塾を一体化した「かしわっこアカデミー」(仮称)を来年1月をめどに開設。英語のほか環境問題についてもやさしく教え、食事の提供も検討する。

 相次ぐ新規参入で進化する学童保育。新たな教育の場になるのかもしれない。

http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C889DE1E6E6EBE4EAE7E2E2E0E2EBE0E2E3E39EE5E3E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E7

【囲い込み、アフターフォロー、リピート率UP、マーケティングに関するニュース・情報】

【飲食店を繁盛させる グルメール
携帯販促・携帯メール配信・携帯HP・アンケート・モバイル活用・販促支援・会員制度
http://grmail.info/
http://www.facebook.com/grmail
http://twitter.com/grmail1101