【居酒屋激安ウォーズ】居酒屋戦争で雌雄を決するのは「業態展開力」

2011.09.15
 「立ち飲み」「激安」そして「均一」の各業態が入り乱れての戦いは、居酒屋・パブ業界にとどまらず、外食産業全体の生き残り戦争に発展している。

 ダイヤモンドダイニングの松村厚久社長(44)が語る。

 「激安戦争が居酒屋・外食産業界の淘汰・再編を促すのは間違いないでしょう。今後、M&A戦略が有効な発展の武器となるはずです。その場合、当社は100店舗100業態を達成、業態開発No.1の実績があり、ノウハウ、スタッフがそろっています。外食産業界の再生屋、すなわち星野リゾートのような企業になりたいと思っています」

 松村社長は2001年6月に「VAMPIRE CAFE」(東京・銀座)を開業、飲食店経営に参入して以来、居抜き物件などを活用し、独自のマルチコンセプト(個店主義)戦略で「1店舗1コンセプト」の店づくりを進めてきた。

 そしてチェーン店経営の「標準化」という常識を無視、「100店舗100業態」を経営目標に掲げた。

 「居酒屋・外食戦争で最後に勝つのは業態開発力だ」との信念があったからだ。

 店舖デザインもメニューも似たり寄ったりで、感動も感激もない消耗戦を繰り広げる大手チェーンに対する、究極の差別化戦略であった。

 松村社長は出身地の高知県観光大使を委嘱されているが、土佐弁でいう「いごっそう」だ。つまり、頑固で気骨のある快男児だ。一度言い出したことは体を張って守る迫力がある。

 結局、昨年10月、「わらやき屋龍馬道場」「四万十川」「一発逆転酒場」など5店舗を出店することで、業界で前代未聞の「100〜」を実現。「ダイヤモンドダイニング『100店舗100業態』10年の道のり」(幻冬舎)を刊行し、一つの区切りをつけた。

 そして、松村社長は今年6月、「バグース」(茨城県日立市)の全株式を11億9000万円で取得、子会社化した。

 同社はビリヤード、ダーツ、ネットカフェ、カラオケ、レストラン、シミュレーションゴルフなど、大人のエンターテインメント空間を提供する店舗を、都心部を中心に55店舗展開している。

 「当社とはエンターテインメント性、オンリーワン戦略といったところで、考えが近かった。経営的には悪くなく、当社のグループに入ることで広報、宣伝、販促、仕入れなどを統合しました。相乗効果がすぐに現れ、ピカピカの会社に生まれ変わりました」

 松村社長は、バグースへのM&A戦略で、非・アルコール業態も取り込み、新しい「食&エンターテインメント」業態の開発に挑戦するつもりだ。

 そして、激安戦争が、居酒屋・外食産業界の構造を変えようとしているのをチャンスと捉え、「5年以内売上高1000億円」の新しい目標を打ち出した。

 一方では、激安戦争がエスカレートする09年5月には子会社の「ゴールデンマジック」を設立。居抜き物件に特化した高収益業態の開発に取り組んだのである。(外食ジャーナリスト・中村芳平)

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20110915/ecn1109150853001-n1.htm

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