関東産コシヒカリ下落、2月下旬比1%安 年度末で在庫売却

2013/3/6 23:20

 茨城県産や千葉県産など関東産コシヒカリの取引価格が下落に転じた。2012年産は昨秋の新米の出回り後から高値が続いていたが、2月下旬に比べて約1%下がった。年度末を前に産地の集荷業者を中心に在庫を売却する動きが出ている。需要面では高値でコメ消費全体が伸びないため、卸業者の買い付け意欲が鈍い。

 関東産コシヒカリで最も生産量の多い茨城県産の業者間取引価格は玄米60キロ1万5700〜1万5800円が中心。2月下旬に比べて150円ほど下がった。千葉県や栃木県産もほぼ同水準だ。関東産のコメは民間業者による集荷や生産者直売の比率が高く、需給を反映しやすい。

 3月末の決算期を控えて在庫を処分して換金する集荷業者や生産者が増えていることが下落の背景だ。例年は2〜3月に加え、田植え前に倉庫を空ける必要があったり、気温上昇で保管が難しくなったりする4〜5月の大型連休前後に売りが増える傾向がある。

 足元では出回りが増える一方で業者間市場でコメを買いつける動きは鈍い。全国農業協同組合連合会(全農)が1月末までに卸会社に販売した12年産米は前年産比で約1割少ない。「3月末に引き取り期限を迎える契約を消化するだけで精いっぱい。民間市場から買い入れる必要はほとんどない」(関西のコメ卸)という。

 東日本大震災後は生産者や流通業者の間でコメの在庫を手元に確保しておく動きが広がった。生産者直売などの流通ルートの多様化も進んだ。このため昨年は3月になっても業者間で取引されるコメの量が増えず、4月以降に値上がりする異例の動きになった。

 12年産米は作況指数が102の「やや良」で、全体の供給量は不足していないため、今後下げ圧力が強まるとの見方が多い。

 ただ、業者間価格に影響を与える全農の卸会社向けの相対取引価格は据え置かれたままだ。外食店などの業務用に使う北海道産などのコメが不足感から値上がりしており、他銘柄の下げ幅を抑えるとの指摘もある。

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