名門私大が付属校ラッシュ、優秀生徒を囲い込み 学習塾大手も主力以外の学年に進出

東京や関西の有名私大が来春、付属や系列の中学校などを相次いで新設する。
早稲田大、中央大が初の付属中を東京都内に開くほか、早大佐賀県に、中大は横浜市中高一貫校を置く予定だ。
新校舎の見学希望が殺到したり、系列校になって志願者が急増したりしており、3、4倍の高倍率が予想される学校もある。優秀な生徒の早期囲い込みを目指す私大側の思惑と、大学への「進路保証」への親子の期待が背景にありそうだ。
中大は来年4月、東京・小金井市の付属高の隣接地に付属中を新設、中高一貫教育を始める。今年5月以降説明会を実施したが、10、11月は1500席が満席となりパイプいすを追加する人気ぶり。
その後も問い合わせが殺到し、12月5日に急きょ開催した中学校舎の見学会にも親子約200人が参加した。
初代校長に就任する三枝幸雄・中大法学部教授(61)は「予想を大幅に超える手応え」と喜ぶ。
2010年に「中央大学横浜山手中・高校」と校名を変え、11年に正式に付属校となる予定の「横浜山手女子中・高校」(横浜市)も、10〜12月の説明会にそれぞれ約300人が参加した。同校では6〜7割が中大に進学できる予定といい、小学5年の次女(10)と10月の説明会に参加した同市の主婦田中有美子さん(42)は「何と言っても付属校になるのが魅力。通学圏内で受験の選択肢が広がった」と話した。
同校は今年4月、中大の系列校に。受験生の多い神奈川に拠点を求めた大学側の狙いと、定員割れが続いていた横浜山手側の事情が一致した。効果はすぐ中学入試に表れ、受験者数は08年の65人(定員120人)から今年は296人(同)に急増した。
一方、早大も来年4月、付属高「早稲田大学高等学院」(東京・練馬区)に中学部を開くほか、創設者・大隈重信の生誕地佐賀県に系列の「早稲田佐賀中・高校」(唐津市)を新設する。
「トップ層の子供が中学受験でほかの中高一貫校などに流れてしまう。優秀な人材を全国から集めるための拠点も必要だった」。早大教務部の附属・系属校プロジェクト室の梅原竜司課長(45)は説明する。
大阪府高槻市に来年4月、小中高の一貫校を新設するのは、関西大だ。関西学院大も、ほかの学校法人と合併し、中高一貫校を置く。
中学進学塾大手の「日能研」によると「中央大付属の倍率は3、4倍で、実績のある付属校と肩を並べる勢い」。早稲田も2、3倍程度になるのではないかという。
中学受験事情に詳しい森上教育研究所の森上展安所長は「少子化が進む中でも、首都圏は学生を確保しやすいが、中学受験が盛んなために優秀な生徒の獲得競争が若年化している。受ける側からすると、大学受験を目指すより進路が保証される付属校の魅力が高まっている」と分析している。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20091208-567-OYT1T00795.html
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コメント:
名門私大が付属校を続々設立をはじめているが、その動きより早く学習塾の大手も相互の市場に進出する競争が激化している。小学校向けが得意だった塾が中高生向けの市場や個別指導塾へ、有名大手予備校が小学校、中学校生徒を対象とした個別指導塾に進出するといった形だ。
特に近年は、勝ち負けがはっきり出てきており、M&Aも活発化してきている。
塾業界が私大等も含めた学校に先じているのであれば、学校間同士のM&Aや系列化は加速していくだろう。