NECエレとルネサスが来年4月の合併契約、初年度に営業黒字化目指す

12月15日22時6分配信 ロイター
[東京 15日 ロイター] 半導体大手のNECエレクトロニクス<6723.T>とルネサステクノロジ(東京都千代田区)は15日、来年4月1日の合併契約を締結したと発表した。合併新会社は来年度に営業黒字化、2年目には当期黒字化を目指し、中期的な売上高営業利益率は2ケタを目標にするという。
 新会社「ルネサス・エレクトロニクス」は、米インテル<INTC.O>、韓国サムスン電子<005930.KS>に次ぐ世界3位の規模の半導体メーカーになる。合併承認の株主総会は2月24日の予定。NECエレが存続会社となる。統合比率はNECエレ1に対してルネサスが1.189。NECエレは合併にあたって1億4684万株の新株を発行し、ルネサスの株式1株に対してNECエレの株20.5株を割り当てる。
 新会社は、会長になるNECエレの山口純史社長、社長に就任するルネサスの赤尾泰社長のほか、11人の取締役会の体制で発足する。常勤取締役は6人で、非常勤取締役5人のうち、NECから2人、日立1人、三菱電機1人が就任する予定。
 NECエレの親会社のNEC<6701.T>、ルネサスに共同出資する日立製作所<6501.T>、三菱電機<6503.T>の3社は、合併新会社に計2063億円の増資支援を行う。日立と三菱電機は、合併前のルネサスに717億円の増資を実施する予定(9月末までに550億円は実施済み)で、合併後には、新会社が実施する1346億円の第三者割当増資をNEC、日立、三菱電機の3社が引き受ける。新会社の出資比率は、NECが33.97%、日立が30.62%、三菱電機が25.05%になる予定。3社の出資比率だけで89.64%になるが、東京証券取引所の上場を維持する方針。
 <合併後100日以内に具体策>
 新会社は世界市場での成長を図る。2008年度の両社合算の半導体売上高の海外比率は44%だったが、将来的に60%にする目標を掲げた。また、統合から100日以内に開発・生産の効率化やコストダウンの諸施策などを具体的に詰めていく。ただ、記者会見した赤尾社長は、コストダウンの柱となる両社の物流や情報システムなどインフラの一本化については「これを実行するには少し時間がかかる覚悟はしている。1年以上はかかる」と述べた。
 両社とも今期は営業赤字になる見込みだが、合併初年度には営業黒字化を図る。ルネサスの赤尾社長は来期の営業黒字化について「09年度中に2000億円近い固定費削減を達成する予定で、(合併初年度は)なんとか営業黒字の見通しが立っている」と語った。
 合併後に行う第三者割当増資で新株は1億4678万株を発行し、希薄化率は54.3%にのぼる。NECエレの山口社長は「希薄化は大きいが、それを埋めるだけの利益を上げたい」と述べた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091215-00000539-reu-bus_all
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コメント:
国内の半導体大手も合併・統合が進み、大手として世界で戦っていけそうな会社は3-4社に絞り込まれてきた。それでもまだ会社数は多く、もう一段の統合が必要かも知れない。