百貨店の大和が搬入・配達 ヤマト全面委託 経費削減へ物流効率化 

宅急便配達網活用 商品搬入短縮効果も 2010年1月30日

 百貨店の大和(金沢市)は二十九日、香林坊と富山、高岡の三店の物流業務を三月から、ヤマト運輸(東京)に全面委託すると発表した。経営の効率化を図る。物流センターの管理費など年間一億円の経費削減につながるとみている。(大島康介)

 大和はこれまで、年間五十四万九千個の商品搬入、六十一万五千個の顧客への配達を複数の物流業者に任せてきた。売り上げ減少に対応するため、二〇〇八年九月から物流システム改革を検討。単独の業者に一括して委託する方針を定め、以前から取引のあった業者の中から有利な提案を出したヤマトを選んだ。

 ヤマト広報は「百貨店が物流を全面委託する形は国内で聞いたことがない」としている。

 ヤマトは、石川県野々市町の金沢物流システム営業所を中心に、既存の宅急便配達網だけを使って対応する方針。同営業所は荷受けと仕分けを二十四時間体制で行っており、メーカーや問屋から店舗に届くまでの時間を、現在の大和のシステムより最大で一日短縮できるという。

 中元や歳暮などのギフト発送もヤマトがすべて担当する。大和は、将来的に電子商取引の「ネットスーパー」や産地直送システムの構築でもヤマトと提携していきたい考え。

 物流を委託する三店に商品を配送してきた野々市町富山県射水市にある大和の物流センターは、倉庫にする。

 大和は経営悪化を理由に、六月までに小松店と新潟県内三店を閉鎖する方針。残る香林坊、富山、高岡の三店に経営資源を集中させている。
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/economy/news/CK2010013002000190.html
【経費削減、コスト削減、コストダウン、コストカットに関するニュース・情報】
http://try-link.jp/