愛犬市場 積水ハウスなど開拓 専用食器から“共存”住宅まで 囲い込みを強化

フジサンケイ ビジネスアイ 9月11日(土)8時15分配信
 愛犬のためなら出費を惜しまないという飼い主を狙い、ペット関連事業への異業種の参入が相次いでいる。耐熱ガラスメーカーのハリオグラス(東京都中央区)は犬専用の食器を初めて商品化し、テイクアンドギヴ・ニーズも今月1日からペット用のドレスなどのパターンオーダーを始めた。積水ハウスはペットと暮らせる住居の提案を3月から強化している。愛犬を家族や友人と同じ存在と考える男性「イヌメン」も増える中、各社とも積極的な商品展開で顧客を囲い込みたい考えだ。

 ハリオグラスが犬用に今月発売したのは「ワンコプレート」。ガラス製(2625円)と磁器製(3150円)の2タイプをそろえた。鼻の長い犬用で、縦型の食べ物をすくいやすい形状にしたのが特長。耳が食器の中に入ることがないよう配慮した。同社では、「愛犬のために出費を惜しまない男性を取り込んでいきたい」と意気込んでいる。

 テイクアンドギヴ・ニーズが初めて打ち出したのはペット用のドレスとタキシードのパターンオーダー「ペットドレス」。価格は2万6250円からで、制作には1カ月程度かかる。

 同社によると、「愛犬と一緒に結婚式をしたい」という顧客からの声が多かったといい、販売に踏み切った。得意とする一軒家スタイルでのペットとの挙式を提案していく。

 ペットと快適に住める住居を提案するのは、積水ハウスだ。イオン子会社のペット用品会社「ペットシティ」の旗艦店「ペコスお台場店」に、住空間の体験型ショップ「ディア・ワン」を出店。ペットショップとの共同展開は住宅業界初という。

 積水ハウスはこれまで展示場でペットが滑りにくい床材などを提案していたが、今回の出店で「ペット愛好家が多数集まり交流するペットショップという立地を生かし、今までにない営業展開を行う」構えだ。

 調査会社の富士経済によると、2010年のペットフードやペットケア用品などペット関連の国内市場は前年比2.6%増の4217億円の見込みで、増加傾向が続いている。市場が拡大する中、ソニー損保の調査では、愛犬家の男性「イヌメン」が愛犬に月平均6037円も支出しているというデータもある。

 「ペットは家族の一員」(積水ハウス)ととらえる消費者の財布を狙い、今後も異業種の参入が増えそうだ。(中村智隆)
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