明治安田、プロセス評価「開花」 生保各社、顧客満足度と収益が向上 アフターフォローを強化

2010.8.26 05:00
 保険契約獲得だけでなく、アフターフォローなど契約者へのサービスを営業職員の評価に反映させる大手生命保険会社の取り組みが、成果を上げている。明治安田生命保険は、顧客への訪問回数などを給料に反映する仕組みを導入したことによって、契約の継続率や顧客満足度が大幅に向上した。保険金不払い問題を契機に強化された取り組みが、結果的に収益力向上に結びついた。

 明治安田生命は、営業職員による契約者への訪問回数や説明実績をポイント化。営業職員が実績を重ねて獲得したポイントを給料に反映する制度を2008年4月に導入した。第一生命保険住友生命保険にも同様の制度があるほか、日本生命保険にも顧客サービス活動への取り組みを評価する制度がある。

 各社による顧客へのサービス評価は保険契約者からも好評だ。満足度・継続率の向上や解約・失効率の低下といった形で収益向上にも貢献している。

 明治安田生命は07年度に25%だった顧客満足度が09年度には43%に改善。解約・失効率も6.68%から6.08%に下がった。第一生命の満足度調査でも09年度に過去最高の82.6%を記録している。

 一方、職員にとってもメリットは大きい。これまでは頑張っても営業の結果を出せなければ給料が増えなかったため、それを理由に辞める社員もいた。だが顧客サービスのプロセスが給料に反映する仕組みが組み込まれたことで、収入が安定した。結果として営業職員の定着率も向上したという。

 各社がこうした評価制度に取り組んだ理由の一つに、05年に発覚した保険金不払い問題で、業界が共有した危機感がある。かつては新規の契約を取ることが優先され、契約を取った後のサービスはおざなりになりがちだった、という。そういった体質が不払い問題の遠因となったという指摘もある。

 結果からプロセスへの評価の変化は、顧客重視をより前面に打ち出した生保各社の姿勢の表れといえそうだ。(天野高志
http://www.sankeibiz.jp/business/news/100826/bsd1008260501003-n1.htm
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