アジアの観光客誘致 紀伊半島の3県

紀伊民報 10月21日(木)17時11分配信
中国や韓国など東アジアからの誘客に力を入れている和歌山県は本年度、近隣の奈良県三重県と連携した誘致活動を展開している。旅行会社関係者らを対象にしたファムトリップ(下見旅行)を共同で実施するなど、世界不況などの影響で減少した外国人観光客の増加を図っている。
 県観光交流課によると、2009年の県内の外国人観光客数は12万8295人。世界的な不況や新型インフルエンザ流行の影響を受け、前年よりも4万56人減少した。
 全体の半数以上を占める東アジアからの観光客数も、最も多い香港が3万3849人(前年比82%)、台湾が3万2288人(同65%)、韓国が8691人(同53%)と、いずれも前年より減少している。
 巻き返しを図るため、県は東アジアを中心にした誘致活動を展開。県境を越えた広域観光圏の形成にも取り組んでいる。5月には台湾、6、7月には中国、10月には韓国の旅行会社関係者らを招待したファムトリップを三重県奈良県と協力して実施した。

●旅行会社を招待
 韓国からのファムトリップには、ソウル市や釜山市から8人の旅行会社関係者が参加。4泊5日の行程で、奈良県に滞在した後、来県した。
 県内では、県職員の案内で田辺市龍神温泉白浜町の円月島、千畳敷、「とれとれ市場」、みなべ町の「紀州梅干館」などを視察。参加者は熱心に質問をしたり、カメラに収めたりした。県内の宿泊施設や飲食業者らとの商談会もあった。
 釜山市から訪れたイ・ジェシクさんは「和歌山県に来るのは初めてだが、海がきれいで釜山と雰囲気が似ている。とれとれ市場は海産物がたくさんあって良かった」と話した。
 県観光交流課は「東アジアからはこれまでも多くの観光客に来ていただいており、今後もさらに需要が見込まれる。広域での連携も含め、いろいろな施策に取り組んでいきたい」と話している。

●ゴルフ、温泉客誘致へ 中国の遼寧省と観光協力宣言
 和歌山県は中国から、ゴルフと温泉を目的とした観光客の誘致に力を入れる。遼寧省と15日に情報発信や観光商品の販売促進で観光協力宣言をした。遼寧省の人口は約4315万人。中国では富裕層のゴルフ人口が増加している。
 日本政府観光局(JNTO)の調査によると、中国人観光客の訪日動機第1位は「温泉」(62・0%)。温泉の人気が高いアジア地域でも、割合が最も大きい。
 県内には20以上のゴルフ場と豊富な温泉資源がある。さらに、遼寧省は中国東北地区に位置し、最低気温はマイナス十数度にまで下がる。県は「冬季に温暖な和歌山でのゴルフを楽しんでもらえたら」と期待している。
 県は今後、県内ゴルフ場の現状調査を進め、受け入れ態勢を充実させる。中国の旅行会社への営業でも、ゴルフと温泉を含んだプランを前面に押し出す。南紀白浜空港白浜町)へのチャーター便誘致も視野に入れている。
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