カードで膨れる財布

地域振興研究所常勤理事 谷本 亙

ポイントカードが大流行している。スーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストア、ガソリンスタンドなど買い物をした店は、どこでも出すようになった印象である。

  ここ1年、財布にお金は一向に増えないが、カードで膨れあがった。私はクレジットカードで買い物をしないために、そっちのカードが増えることは無かったが、ポイントカードで満杯である。といってカードだけの入れ物を持ち歩く訳にもいかない。

  いまは店に行くと「○○カード、持っていますか」と聞かれるようになった。だんだん「持ってない」というのが、言いづらくなってきた。「簡単にできますよ」と言われて、「じゃーお願いします」となる。それでまた1枚増える。めったに使わないものもあるが、捨てにくいので貯まってしまうのだ。

  顧客の囲い込みや常連化を狙ってのことだが、広く浅く買っているとポイントカードだけが貯まって、特典にあずかる機会はそんなにない。最近はお金を代替する機能もあるのだが、もらうのは買い物券ぐらいである。

  私が住んでいる津幡町のスタンプ会のドレミファカードは、満点になれば買い物券だけでなく、金融機関で貯金や町税、水道使用料などの支払いにも使えるようになった。

  しかし、カードは良く似ていることもあるので、それを探すのが大変になってきた。ドラッグストアで、別の店のカードを出すこともしばしばである。その店のカードを出すのが、段々大変になってきた。

  買い物をする前にカードを出しておけばいいのだが、レジに行ってから探していると時間が掛かってしまう。そのカードが見つからなくて、「いいです」と出さなかったこともしばしばだ。こういうことが続くと、どうするか考えないといけないかも知れない。

  待たずに支払いができるはずのコンビニでもカードを探していると、後ろの人の視線が気になる。さらにポイントを貯める機能に時間がかかるためか、おつりが先に出てからカードが出るので、カードをもらうまでレジを離れられない。

  最近はホテルでもコンビニでも使えるような業種や業態を超えて使える共通のカードも出てきている。これは確かに便利なのであるが、カードそのものはなかなか減らないだろう。

( 2010年12月8日 読売新聞)

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