【シンガポール】愛媛、県産品の直送後押し :3年めどに民間主導移行へ

NNA 1月5日(水)8時30分配信
 愛媛県がアジア向けに県産品の直接輸出を推し進める。昨年末には、県内の商社、愛媛エフ・エー・ゼット(松山市)を通じて、松山港からコンテナ船で食品を中心とした県内メーカー16社の商品150箱をシンガポールに試験的に出荷した。県内の港からの船便直送は初めて。3年後をめどに、こうした直接輸出体制を行政主導から民間ベースに移行させる考えだ。

 同県産業政策課の担当者は4日、NNAの取材に対し「愛媛県は2010年度から、県内各社が生産を手掛ける食品を地元の商社を通じて海外輸出する試験的な取り組みを始めた。東南アジア向けは今回が第1弾となる」と説明した。今回テスト輸送したコンテナには、じゃこてんなどの海産加工物のほか、大福やみかんゼリーといった菓子類、酒類、ジュースを含む飲料を積み込んだ。今月9日までにシンガポールに到着する予定。第2弾は今月中旬、松山空港から空輸する。

 輸送した商品は、飲食店情報サイト運営のぐるなびが今月26〜27日にシンガポールで開催する日本食の展示商談会に出展する愛媛県ブースに並べられる。同担当者は「今回の商談会をきっかけに、今後アジア地域の企業と継続的な取引をできるようにしたい」との考えを示した。昨年は四国4県としてシンガポール伊勢丹・スコッツ店で開催された「四国フェア」に県産品を出品、販売した経験があるが、シンガポールの物産展で県単独でブースを出すのは今回が初となる。

 ■県内の港・商社からの輸出を推進

 県産品の海外輸出は、これまで企業ごとに神戸など大都市圏の港から行ってきた。ただ、国内市場の縮小に加え、県外の港へ商品を送る際の輸送コストが大都市圏の企業と比べて高くつくためハンディキャップとなっていた。アジア圏への輸出拡大を希望する中小企業の声が高まっていたことを受け、県が主導して地元の商社育成、県内港からの海外向け物流体制確立を目指すことにしたという。

 シンガポール向けの輸送業者は、公募の結果昨年10月に愛媛エフ・エー・ゼットを選定した。その後、県は同社と共同で地場企業への説明会を実施し、参加を希望する業者を募った。エフ・エー・ゼットは今後シンガポール企業と協力して、主に外食産業への売り込みを推進する。

 今回の取り組みでは、今後2〜3年で県からの直接輸出体制を整え、3年後をめどに行政から民間主体に完全移行する計画だ。シンガポール以外では、香港向けの輸送業者として同県の芙蓉海運(新居浜市)を指名し、直接出荷をすでに始めている。3月には香港でも商談会に出展する。今後、こうした直接輸出体制をアジアのほかの都市にも適用していく考えだ。

 同担当者によれば、神戸税関を通じた愛媛県からの輸出額は2009年通年で6,500億円だった。
最終更新:1月5日(水)8時30分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110105-00000003-nna-int

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