牛丼チェーン戦争にガストが参入!? 新業態「どんぶりガスト」の仰天メニューとは?

nikkei TRENDYnet 7月20日(水)11時28分配信


 牛丼チェーン戦争にガストが参入!? ――。すかいらーくは2011年4月21日、山梨県甲府市に新業態「どんぶりガスト」をオープンした。

 同社では「おはしカフェ・ガスト」「ステーキガスト」「Sガスト」など、主力のファミリーレストラン「ガスト」の業態拡大を図っているが、今回の新業態はどんぶりを軸とした和風ファストフードの実験店となる。

家族をも取り込む牛丼チェーンに対抗

 際立つのは、なんといっても安さ。看板メニューの「ハンバーグ牛丼」は並盛りで280円(みそ汁は別売り)。大手牛丼チェーンの牛丼とほぼ同価格で、牛丼とハンバーグを両方を食べられるわけだ。もう一つの看板メニュー「若鶏竜田丼」は350円、定食メニューでは「デミグラハンバーグ定食」が450円となっている。客単価は450〜500円程度を想定(ガストの客単価は700〜800円程度)。

 しかし、なぜファミレス最大手のすかいらーくが牛丼チェーンに対抗する業態を開発したのだろうか。

 「これまでは手ごろな価格で気軽に行けるデイリーユースのファミリーレストランとして『ガスト』を展開してきたが、昨今の不況による家庭収入の減少でファミレスの利用頻度が減っている」(「どんぶりガスト」を担当するすかいらーくの小林大二営業部長)。

 実はその受け皿となっているのが、牛丼チェーンだ。都心で牛丼チェーンといえばカウンターに1人で座って食べるイメージがあるが、郊外に行くとテーブル席が大半を占め、駐車場も完備するようなファミレスと変わらない店が多い。そして、牛丼チェーンであれば副菜を入れても500円程度なので、家族4人でも2000円で済むわけだ。すき家が家族3世代で楽しそうに牛丼を食べるテレビCMを流しているのもうなずける。

 さらに郊外ではクルマでルートセールスに回る営業マンの需要が底堅いが、この層もコストパフォーマンスに勝る牛丼チェーンに奪われているのが現状。今回の新業態は、これら2つの層を牛丼チェーンから取り返すのが狙いといえる。

 担当するすかいらーくの小林大二営業部長は、「『どんぶりガスト』はファミレスではなく“どんぶり屋”」と言い切る。

どんぶりはトッピングとサイズが豊富家族連れを意識し、うどんや和総菜も用意

 どんぶり業態では後発となる同社が、し烈な価格競争を繰り広げる牛丼だけで勝負するのは難しい。そこで目をつけたのが、ガストの看板メニューであるハンバーグ。こうして誕生したのが、「ハンバーグ牛丼」という“肉+肉どんぶり”だ。また、ファストフード業態である「Sガスト」の人気メニュー「若鶏竜田揚げ」のどんぶりバージョンも、もうひとつの看板メニューとなっている。

 これらどんぶりメニューの特徴は、トッピングとサイズのバリエーションが豊富なこと。トッピングは「ハンバーグ牛丼」「若鶏竜田丼」共通で、タルタルソース、マヨガリ(マヨネーズ&ガーリック)ソース、おろしポン酢、高菜明太マヨ、チーズから選べる(現在は夏限定の「サルサ&チーズ」もある)。

 サイズは「ミニ」「並」「大盛」「倍盛」「特盛」「メガ」の6種類。「ミニ」はライスと具が少なめ、「大盛」はライス大盛り、「倍盛」は具が2倍でライス大盛り、「特盛り」は具が2倍でライス特盛り、「メガ」は具が3倍でライス特盛りとなる。価格は「ハンバーグ牛丼」でミニが230円、メガが780円とかなり幅が大きい。

 さらに、家族連れを意識し、カレーや定食、和総菜のセット、うどんも用意している。現在の注文の割合は、ハンバーグ牛丼が4割、若鶏竜田丼が3割、定食、カレー、うどんがそれぞれ1割だという。

ドライブスルーが予想以上に好調

 また、今回の新業態のもう一つの狙いは「ドライブスルー」だ。郊外店を中心に、外食チェーンの新たな売り上げ拡大策として各社が積極的に導入している。

 同社では売り上げに占める割合を1割程度と見ていたが、実際は25%程度と予想以上に多かったという。開店当初はドライブスルーの利用が多すぎてキッチンが大混乱となったため、ドライブスルー専用のキッチンを新たに設けたほど。

 「意外に多かったのは主婦の利用。聞いてみると、『部屋着のまま買いに行ける』『化粧しなくていい』といった声が多かった」(すかいらーくの小林大二営業部長)という。火を使うのがおっくうになる夏場にはさらに利用が増えそうだ。

 同業態は、2、3年で100店舗を展開するのが目標。「都心でこの価格帯で出店するのは難しい」(同)ことから、郊外のロードサイドで牛丼チェーンと火花を散らしていくことになるだろう。

(文/山下 奉仁=日経トレンディネット)

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