高まる「家飲み」需要 専用おつまみ続々登場

2011.8.1 08:47

飲食店に行かず、自宅でお酒を楽しむ「家(いえ)飲み」。一日の終わりに晩酌でひと息つく人や、週末に友人らを招いてホームパーティーを楽しむ人が増えている。東日本大震災以降、外出を控える人で「家飲み需要」がますます高まる中、ワインに合わせて選ぶ一口サイズのチーズなど「家飲み専用」ともいえるおつまみが続々と登場。1人分としてもちょうどいい分量や、パーティーに持ち寄るおつまみに迷った際に選びやすい点が受けているようだ。(豊田真由美)

晩酌くらいは

 食品卸の国分(東京都中央区)の缶詰シリーズ「K&K 缶つま」(全20種、希望小売価格160〜800円)は、昨年3月の発売から今年7月上旬までに200万缶以上を出荷したヒット商品だ。

 一番人気は国産のカタクチイワシを使った「オイルサーディン」(450円)。「牛すじこんにゃく」(340円)の出荷量も多いという。

 同社は「『お父さんの晩酌』を想定し、幅広い選択ができるように品ぞろえした」と説明。「国産の素材と味付けにこだわった。『晩酌くらいはちょっといいものを』という頑張るサラリーマンに食べてもらいたい」とPRする。

 今年3月には家飲みを想定した商品が相次いで登場した。

 伊藤ハム兵庫県西宮市)は、一口サイズのチーズを詰め合わせた「ベルキューブ」(各460円)をリニューアル。ターゲットは30、40代の女性で、パーティーやおやつなどの場面で食べられることを想定したという。

「ワインに合うチーズが分からない」という消費者の声に応え、スパークリングワインと相性が良い定番の「プレーン」のほか、ソムリエ監修で赤ワイン用のブドウ、メルローなどに合う「赤ワインセレクト」、日本の甲州などに合う「白ワインセレクト」、ロゼに合う「フレンチオードブル」の3種もそれぞれ発売。野菜や香辛料を練り込み、「トマト」「オリーブ」などさまざまなフレーバーのチーズを組み合わせた。

節電も影響

 食料品の製造・加工などのジェーシー・コムサ(東京都渋谷区)の家飲み派スタッフが開発したピザは、その名もずばり「家(うち)飲みピザ」(希望小売価格348円)。トースターで焼くだけと簡単で、「晩酌にも家で開く女子会にもぴったり」(同社)だ。

 なぜ「家飲み用」のおつまみが売れているのか。第一生命経済研究所千代田区)の宮木由貴子副主任研究員は「東日本大震災の影響で缶詰のニーズが高まっている。福島第1原発の事故で家に籠もる傾向にあり、節電で火を使わないよう心掛ける人も多い」と指摘。そのうえで、「1人分を自分で作るとかえってコスト高。缶詰なら1人分の分量としても多すぎず、温めなくても食べられる」と説明する。

おつまみのチョイスに気を使う他人との家飲みについては、「商品・好みが多様化しているうえ、センスを問われるため負担を感じる人も多いが、用途が明確で選びやすい」と分析している。

働く女性 夏休みも「自宅でのんびり」

 働く女性の半数以上が、夏季休暇は自宅でのんびり過ごしたいと考えていることが、コクヨのオフィス通販「カウネット」(東京都港区)が運営する女性向けサイト「わたしみがき」の調査で分かった。

 調査は6月21〜29日、職を持つ女性を対象に実施した。回答を得た431人のうち、「夏季休暇の制度がある」「夏季休暇を取る」と答えた366人に「昨年」「今年」「理想」の夏季休暇の取得日数を尋ねたところ、最も多かったのはいずれも「4〜5日」で、それぞれ35.8%、39.6%、30.9%だった。

 夏季休暇にかける1人当たりの予算は「3万円以下」が約7割。過ごし方は「自宅でのんびり過ごす」が53.8%と半数以上に上った。「掃除や片付け、部屋の衣替えなど」(34.7%)、「親戚の家や実家に行く」(29.8%)なども上位にランクインした。

http://www.sankeibiz.jp/econome/news/110801/ecc1108010849001-n1.htm


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