津波で流失…気仙沼ホルモンの名店復活

 全国有数の漁船基地、宮城県気仙沼市で親しまれてきたB級グルメ「気仙沼ホルモン」を提供する同市の焼き肉店「ホルモンお福」が2日、新店舗で営業を再開した。

 津波で店が流され、店主の及川英雄さん(69)は廃業も考えたが、ホルモンを楽しみにする常連客からの声に後押しされ、再建に踏み切った。

 気仙沼ホルモンは、ニンニクみそで味付けした豚の内臓を七輪で焼き、千切りキャベツにウスターソースをかけて一緒に食べる料理。沖から戻って、まずは肉と野菜を食べたかった漁船員の間で1950年代から評判に。ホルモンお福は85年に開店し、震災前はB級グルメブームもあって、観光客が続々と訪れていた。

 しかし、津波で沿岸にあった木造平屋の店は流された。開店から25年間使い続けてきた七輪を失い、甘辛い味が評判のニンニクみそだれを継ぎ足してきたかめも見つからない。

 「歳も歳だし、店じまいして年金で生活しようか」。妻ふくみさん(65)に相談したこともあった。だが、店の跡地でがれきを片づけていると、道行く常連客から「もう一回、お福さんとこの甘辛いホルモン食いてえなぁ」とせがまれた。

 震災前、市内では焼き肉店15店で気仙沼ホルモンを楽しめたが、ほとんどが被災した。訪れた避難所でも、避難している人々から「ホルモンを思い出すと、よだれが出そう」と言われることもあった。

 そこで及川さんは、跡地から数キロ内陸にある内装業者の事務所に新店舗を構えることにした。修繕費に1000万円かけ、営業再開にこぎつけた。

 再開初日は開店の午後4時からなじみの客が次々と訪れ、店内は炭火からモクモクと立ち上る煙と、香ばしい匂いでいっぱいに。4か月半ぶりの店の切り盛りにあたふたしながらも、及川さんは「この忙しさはうれしい悩み。復旧・復興にあたる作業員にも来てもらって、ホルモンで明日への活力を与えられればいいね」と笑顔を見せた。

(2011年8月3日12時53分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866918/news/20110803-OYT1T00416.htm

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