ギョーザ日本一奪還へ「清き1食」を 宇都宮

ギョーザの消費量日本一奪還を目指す宇都宮市が、集計を終える1年も残すところわずかとなり、消費拡大を訴えている。

 10月までの1世帯あたりの月平均購入額の累計は、王座を奪われた浜松市と278円の差があり、奪還は厳しい情勢。衆院選さながらに「最後のお願い」を繰り広げ、ラストスパートをかけている。

 15年間守ってきた日本一の座を昨年奪われ、今年は奪還に向けた運動が活発化した。市内の商工・観光関係者などは今年4月、「日本一奪還推進委員会」を結成。6月に「1日だけの餃子(ぎょうざ)祭り」を企画するなどした。

 消費量をはじき出す総務省の家計調査が、小売店での購入額としているため、市内のスーパーやコンビニ店に「日本一奪還」ののぼりを設置するキャンペーンも展開した。応援歌を流し、市民に消費を呼び掛けた。

 購入額は、上半期(1〜6月)の累計で浜松に400円の差をつけられていたが、餃子祭り後の7月と8月は月額でそれぞれ、565円、430円で1位の位置につけた。これにより、一時は累計でも172円差まで迫った。ところが、その後は伸び悩み、10月は278円差に広がった。

 奪還推進委員会は追い込みをかけようと12月7日、市中心街の「バンバひろば」で、「最後のお願い」キャンペーンを仕掛けた。キャラクターの「宮の天狗様」がスーツにたすきを掛け、メガホン片手に「清き1食をお願いします」と声をからした。会場では、スープギョーザ計200食が通行人らにふるまわれた。

 また、スーパーと連携し、冬場向けの「ギョーザ鍋」や「スープギョーザ」を売り場で勧めるコーナーを設置した。

 今年も残すところ半月足らず。11月の消費量はまだ統計が発表されていないが、仮に平均的な352円で、浜松市も平均的だった場合、12月は今年最高の687円消費しなければならず、見通しは厳しい。ただ、過去には月額で888円(2008年7月)を記録したこともある。

 宇都宮市都市ブランド戦略室の篠原永知主査は、「宇都宮市民なら、1か月で1000円分ほどのギョーザを食べるのは簡単なはず。どんどん食べるしかない」と呼び掛ける。宇都宮餃子会広報の鈴木章弘さん(40)は「手応えはある。最後まであきらめずに活動していきたい」と、最終盤での大逆転に期待を寄せた。

(2012年12月19日 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20121219-OYT8T00347.htm?from=os4