宅配ずし首位「銀のさら」、年内にも上場へ 銀だこ、すかいらーく…上場狙う外食相次ぐ

宅配ずし最大手「銀のさら」をFC主体で展開する、ライドオン・エクスプレス(旧社名レストラン・エクスプレス)が、株式上場を準備していることが明らかになった。

食事の“宅配”が主力の企業では初の上場

同社は年内にも東証マザーズに上場する可能性が高い。食事の宅配を行う上場企業としては宅配ピザピザハット日本ケンタッキー・フライド・チキンが運営)や、上場企業の子会社でもワタミの宅食(ワタミの子会社)などがある。ただ、主力事業が食事の宅配である企業の株式上場は、実現すれば初めてとなる。

ライドオン・エクスプレスは現社長の江見朗(えみ・あきら)氏が創業。現在の本社は東京都港区にある。

同社は1992年に岐阜市で創業したサンドイッチ店「サブマリン」を前身に持ち、98年に宅配ずしへ参入した(銀のさらのブランドを使い始めたのは2000年から)。銀のさらの加盟店募集を全国的に展開することを目的として、01年に株式会社レストラン・エクスプレスとして設立された。

当初はベンチャー・リンク(10年にC&Iホールディングスに社名変更後、12年に民事再生法の適用を申請)の支援を受け、1年間で200店舗を出店したが、急拡大の反動で業績はしばらく伸び悩んだ。

もっとも、ライドオン・エクスプレスの直近2013年3月期の業績は、売上高が161億円(前期比9.8%増)、営業利益5.4億円(同58%増)と、11年3月期を底に上向いている。3月末時点の店舗数は562店であり、そのうち銀のさらが364店を占める。

すし業界の市場規模(食の安全・安心財団による推計値)は1992年の1兆5485億円をピークに、2012年には1兆2753億円まで2割弱縮小している。個人経営の立ちずし屋が減少する一方で、消費者の低価格志向を追い風に、1皿100円前後で販売する回転ずしが規模を拡大してきた。

1兆円超のすし市場で、宅配の位置付けは…

回転ずし業界で最大手の「スシロー」(あきんどスシローが運営)は前12年9月期決算で売上高1113億円。業界2位の「かっぱ寿司」(カッパ・クリエイトホールディングスが運営)は前13年2月期の売上高が941億円。「くら寿司」(くらコーポレーションが運営)は前12年10月期に789億円。回転ずしの市場規模は5000億円に迫るともいわれ、存在感を増している。

回転ずしの好調と裏腹に、持ち帰りずしは苦戦を強いられている。

かつて2000店以上の加盟店を誇った小僧寿しは、直近12年12月期の売上高が202億円と10年前に比べて5割減り、営業利益も3期連続の赤字に沈んだ。牛丼大手の吉野家ホールディングスの傘下に入った京樽も、直近13年2月期の売上高が242億円と決して小さな規模ではないが、2期連続の営業赤字と苦戦している。いずれもスーパーの持ち帰りずしコーナーの充実化や回転ずしに押され、次の一手がなかなか見えてこない。

一方、銀のさらを筆頭とする宅配ずしの市場規模は450億円程度と、大きな伸びは見せていないものの、低位で安定している。銀のさらの直営店とFC店を合わせたチェーン売上高(2013年3月期)は252億円に上り、すでに市場シェアは5割超に達した勘定となる。

宅配ずしの同業では、宅配ピザ最大手「ピザーラ」を展開するフォーシーズが「柿家鮨」を2000年から関東中心に展開しているが、現在でも30店舗に満たない。宅配ずし市場は持ち帰りずしに比べれば安定しているとはいえ、市場規模1400億円ともいわれる宅配ピザに比べれば、そのマーケットの小ささは否めない。

成長路線復帰のメド見え、上場を決断

市場の頭打ちに直面したライドオン・エクスプレスは、主力事業である銀のさらに加えて、宅配の釜飯「釜寅」や高齢者向けの弁当宅配「銀のお弁当」、レストランのケータリングサービスなど新規事業を追加。銀のさらの既存拠点にこれらを上乗せすることで成長路線に復帰するメドがついたとして、このたび上場を決めた。

また、旧社名レストラン・エクスプレスの「レストラン」には“外食”のイメージが強く、“デリバリー”のイメージを打ち出すために、この4月、社名をライドオン・エクスプレスに変更している。

外食業界では「築地銀だこ」を展開するホットランドが上場の準備を進めているほか、ファミリーレストラン最大手すかいらーくも再上場を目指している。

http://toyokeizai.net/articles/-/14483?page=3


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