70億人が食べていくために

2011/10/19付
 国連の推計で、世界の人口が10月31日に70億人に達する。国連は貧困と不平等、環境問題など各国が協力して克服すべき7つの課題を挙げている。最も切実な問題は、70億もの人々の食糧をいかに確保していくかだろう。

 国連は各国が報告する人口動態をもとに世界人口をまとめている。1987年に50億人を超え、98年には60億人を突破。その後の13年間でまた10億人が加わった。

 人口の増加と同時に、中国をはじめとする新興国の食生活が豊かになってきたことで食糧需要は膨らむ一方だ。食肉の消費が増えれば、牛や豚の餌としても大量の飼料穀物を使う。

 米農務省の調べでは、主要穀物の消費量は87年から98年の間に12%増えたのに対し、新興国の経済成長が顕著になった98年から今年見通しまでの増加率は2倍の24%に高まっている。

 すでに人口の伸びは鈍り、今後は「世界の高齢化」も進む。しかし食糧需要は新興国発展途上国の成長で人口以上の拡大が続くと考えられる。アジアやアフリカでも農業の生産性を高め、供給確保を急ぐ必要がある。

 国連の指摘する貧富の差などが食糧問題を深刻にしている現実も見逃せない。慢性的な栄養不足に苦しむ飢餓人口は10億人近い。世界全体で見ればコメや小麦などの供給は足りていても、価格が高騰すると経済力の弱い発展途上国では飢餓人口が増えてしまう。

 トウモロコシなどの穀物価格は、2000年以前と比べ2倍以上の水準にある。先進国の金融緩和が続く間は、先物市場に投資マネーも流入しやすい。

 人口の増加はアフリカ、西アジアなどの発展途上国に集中している。こうした地域で経済が成長し、地域内の貧富の差も是正されなければ食糧問題は解決しない。政情不安が再び原油や農産物の価格上昇に跳ね返る恐れもある。

 日本としても当面の食糧支援は大切だが、農業生産や人材育成で協力できる部分が大きいはずだ。

http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE1E7E5E2EAE0E1E2E3EBE3E2E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D

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